Interview: LUSCIOUS JACKSON

LUSCIOUS JACKSON interview


Interview: 鈴木喜之
Translation: 岩渕亜衣

「女性版ビースティ・ボーイズ」として活動拠点のニューヨークのみならず日本を含む全世界の90年代ストリート・カルチャーを席巻したルシャス・ジャクソンが、昨年末に実に14年ぶりのカムバック・アルバムをリリース!
完全自主制作で発売・流通された本作、母となった彼女達の音楽との関わりなどについて、ベース/ヴォーカルのJillがインタビューに答えてくれました。


●2000年に解散を発表してから再結成するまで、主に家族と過ごす時間を最優先していたのかと想像していますが、この間あなたの日常における音楽との関わり合いはどのような様子でしたか? ミュージシャンとしての自分にとって、どのような時期だったと振り返りますか?

―私たちはみんな音楽を作ったり、演奏し続けていたわよ。私は『City Beach』っていうソロ・アルバムを出したし、Gabbyも『Gimme Splash』っていうアルバムを出した。Kateはバッファロー・ドーターやインディゴ・ガールズとレコーディングや演奏をしたり、PUSHBUTTONSっていう80’sのカバー・バンドもやっていたの。

●今回の再結成は、子供たちのために音楽を作り始めたことがきっかけとなったそうですね。もともと作っていた子供のためのアルバム『Baby D.J.』も、個別の作品としてリリースされましたが、そういう「家庭的な」背景を持つ創作環境が、最新作の性格にも何か影響していることがあると思ったりしますか? 子供のために音楽を作ろうと考える時、以前までの作曲作業とどのような違いを意識しますか?

―私とGabbyは、初めは子供たちのための音楽のアルバムを作るために再結成したの。ルシャス・ジャクソンのメンバーは全員子供がいて、子供たちはみんなルシャス・ジャクソンの音楽を聴くのが好きだっていうことがわかってね。ありふれた子供向け音楽はあまり好きじゃなかったから、楽しくてインタラクティヴな雰囲気で「フリーズダンス」(※ブレイクダンスの技の一種)みたいな音楽を書きたかった。だから私たちが『Baby D.J.』のために書いた曲では、食べ物やダンスやアイスクリームとか、子供たちの好きな物について歌ってる。『Baby D.J.』はiTunesや私たちのウェブサイト(LusciousJackson.US)で販売中よ。『Magic Hour』の方では、若い頃の傍若無人さを捉えて、楽しくてポジティブな曲を並べたかった。ノスタルジックになりすぎず、でも昔のルシャス・ジャクソンのアルバムみたいにね。

●レーベル契約がない状態でレコーディングができたことが、バンド活動初期の瑞々しいフィーリングを呼び起こしたそうですね。その一方で、バンド休止期間に得た経験も新作には反映されたと思います。『マジック・アワー』のどんなところが昔と変わらなくて、どんなところに新しい要素が入っていると感じていますか? 歌詞に関しても、以前と変わらないところ、変わったところなどで気がつくことがあれば教えてください。

―『Magic Hour』は、『In Search of Manny』や『Natural Ingredients』などGabbyと私がコラボレーションして作っていた活動初期のルシャス・ジャクソンを思い起こさせると思う。何年も経って、私たちはもっと良いミュージシャンになったし、もっと良いプロデューサーになったと思う。歌詞では、家族との関係や、踊ること、友達と楽しむこととか、いろいろなことを表現している。そしてアルバムの中の1曲"We Go Back"は、私たちの親友ビースティ・ボーイズのAdam Yauchの死について歌っているの。

●今作はPledge Musicで制作資金を集めて完成しました。企業レーベルや大手マネージメントからは完全に独立した形で活動を進めてみて、どのような手応えを感じていますか?

―とても勉強になる経験だった。私たちはCDやTシャツを生産して自分たちのウェブサイトから出荷するシステムを手に入れた。もうすぐウェブサイトにPledge Musicでの経験をエンジョイしたことを表したアートワークのようなものをアップする予定なの。もし全てがうまくまわったら、これからもそのままやっていくつもり。最初の立ち上げは本当に大変だったわ! あと、私たちは何年もマネージメント会社もやっているの。

●今作では、あなた自身が録音やミキシングもこなしているのですよね。どのようなサウンド・プロダクションに仕上げようと心がけましたか?

-ルシャス・ジャクソンの休止後、私はレコーディングやプロデュースの経験を重ねてきたから、どうやって音やヴォーカルを捉えるかがよくわかるようになった。私たちは今でも、いろいろな影響やジャンルを交ぜているアーティストたちにインスパイアされて刺激を受けている。サンティゴールドとか、M.I.A.とかザ・ティン・ティンズとかね。

●ケイトだけロサンゼルスに住んでいるので、ドラムだけはLAで録音されているそうですね。ソングライティングやレコーディングのプロセスはどのように進められていったのか、少し具体的に教えてください。

-奇妙なことかもしれないけど、今回のこのレコーディングのプロセスは私たちが90年代にやっていたのとは全く違うわね。Kateにデモと曲の断片を送って適当なテンポと感覚で録音してくれるように彼女に頼むと、彼女はLAのホームスタジオで、シンプルに4本のマイクセットでクリック音やループに合わせてドラムをレコーディングして、各曲それぞれ何テイクかをYou Send Itで送り返してくれる。それを私たちがカットアップしてループに合わせたり、フルテイク活かして私たちのトラックと融合させたりするの。プログラミングが入る曲もあるし、生のドラムもあるし、サンプルが入るものもある。Kateは一度も私たちと同じスタジオに入らなかったのよ。

●さきほども言っていたように、"WE GO BACK"ではAdam Yauchのことを歌っているそうですが、近年のアダムとの思い出と、この曲に込めた気持ちについて聞かせてください。

-このアルバムで、私たちの友人に敬意を払いたかったの。悲しい曲じゃない形でそれを表現しようとするのは難しかった。"We Go Back"は過去を忘れずに過去から踏み出す曲よ。私たちはいつもAdamのクリエイティヴィティとヴィジョンと、ミュージシャンシップ、そして人権問題への行動に対して本当にすごいと驚かされてきた。彼はすごく物腰が柔らかくて、深くて、優しくて、面白い人だったわ。彼の死を深く悼んでいる。彼は長年に渡って私たちの世代に強い影響を与えてきたもの。私たちは一緒に大人になったし、私たちの最初のコンサートも見に来てくれたし、一緒に楽器も学んで、たくさん笑い合ったわ。

●先日ルー・リードが亡くなってしまいましたが、近年のニューヨークの音楽シーンについてはどのように見ていますか?

-NYはとても大きくて、たくさんの音楽シーンがあるわ。ブルックリンのインディ・シーン、ジャズ・シーン、海外からの音楽シーン、ヒップホップ・シーンでもたくさんのアーティストがいるし。そういうシーンの中で、私も取り入れられそうな音楽を常に探している。私たちと同じぐらいから活動していたバンドがまたたくさん再結成しているのもクールだと思う。チボ・マットとか、ブリーダーズ、ザ・ジュリー・ルイン、スリーター・キニーとかね。私たちもみんな自分のバンドが恋しかったのよ! ルー・リードは何世代ものミュージシャンや彷徨う人々にNYというものを定義付けてきた人ね。ルーと知り合いの私の友達が、彼がルシャス・ジャクソンのファンだって言ってたと教えてくれた。それはとても誇りに思う。

●では、あなたが個人的に、ここ最近とくに楽しんで聴いている音楽を幾つか紹介してください。

-ティーガン&サラ、ハイム、M.I.A.、サンティゴールド、バンド・オブ・スカルズとかがお気に入りよ。

●ところで、あなたがソロ・アルバム『シティ・ビーチ』をリリースした2007年に、ギャビーもソロ作品『ギミー・スプラッシュ』をリリースしたわけですが、お互いにどんな感想を持ちましたか?

-私たちはほぼ同時にアルバムをリリースしたけど、出す直前までお互い知らなかったのよ! 一緒にやろうかとも思ったけど、やらなかったのね。

●今回の再結成は、解散時と同じ3人編成ですが、将来的にチャンスがあったらヴィヴィアンにも戻って来てほしいと考えていますか?

-彼女にも声をかけたし、良い返事もあったんだけど、今回はヴィヴィアンが再結成に参加するにはちょっとタイミングが合わなかったみたい。彼女はツアーが本当につらかったみたいで、私たちが『ELECTRIC HONEY』をリリースする前の1996年にバンドを離れたんだけど、今でも私たちは仲の良い友達だし、彼女もサポートし続けてくれているの。

●可能なら、ぜひまた日本でもライヴをやってほしいと望んでいます。ぜひ再来日公演を実現させてください。

-日本でのライヴはぜひやりたい。日本の文化も、人々も、食べ物も、音楽も、温泉も大好きよ! もちろん私たちやサポート・メンバーみんなで日本に行くにはお金がかかるけど、もし日本でも興味がある人たちが居るなら、ぜひ行きたいわね。以前のレーベルメイトでもあるバッファロー・ドーターとも再会したいし!


 

LUSCIOUS JACKSON / MAGIC HOUR
  (DISK UNION/CITY SONG, 国内CD/CD)

disk union Indie/Alternative Rock 2013 STAFF'S CHOICE!

2013 STAFF'S CHOICE

ディスクユニオンのインディ/オルタナティヴ・ロック担当スタッフによる2013年 個人BESTです。
嗜好が合いそうなスタッフが居りましたら、ぜひご参考になさってみてください!

disk union Indie/Alternative Rock 2013 BEST REISSUES 発表!

2013 BEST REISSUES

今年はリップリグの紙ジャケ3タイトルのリマスターがアツかったですね!
ユニオンではTシャツも制作させていただきました!
他にもニルヴァーナのデラックス盤や、キャブスのボックス、ドゥルッティ・コラムの紙ヤスリジャケットのレプリカ版など、限定作品が目立ちました。
ポスト・パンクやネオアコのリイシューも多く、インディ/オルタナティヴ・ロックを盛り上げてくれる素晴らしい作品が勢ぞろいな年でした。

disk union Indie/Alternative Rock 2013 BEST ALBUMS 発表!

2013 BEST ALBUMS


実際のセールス、お客様の声、スタッフの偏愛…などなど総合的にとらえ、ディスクユニオンのインディ/オルタナティヴ・ロック担当スタッフであれこれ議論して選んだインディ/オルタナティヴ・ロック部門の2013年BEST ALBUMS!

今年の振り返りやお買い逃しのチェックなどのご参考にしていただければと思います。
2014年もディスクユニオンのインディ/オルタナティヴ・ロックを何卒よろしくお願いいたします!

特集: CASTLE FACE RECORDS



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THEE OH SEESのJohn Dwyerも主宰、運営に携わるLAのレーベルCASTLE FACE RECORDSより、THEE OH SEESの過去の作品などが入荷中です!

限定プレスのLPばかりなのでぜひこの機会にお見逃しなく!

特集: ベネルクスより愛をこめて - LTM/FACTORY BENELUX CAMPAIGN -





主にFACTORYCREPUSCULEのNEW WAVE~POST PUNK作品を堅気にリイシューし続けるUKレーベル、LTM recordings

今回はFACTORY RECORDSのベルギー支部であるFACTORY BENELUXからの秘蔵作品を一挙リイシュー!
それに合わせ、ディスクユニオンではLTM/FACTORY BENELUXキャンペーンを2/9(土)より開催いたします。

FACTORY BENELUXの作品に加え、過去のLTMのグレイト・リイシューの数々もぜひこの機会にお見逃しなく!

<特典>
LTMレーベルおよびFACTORY BENELUXの新品全商品の中から・・・

① 1枚お買い上げでFACTORY BENELUXステッカー
② 2枚同時購入でLTMサンプラーCD
③ 国内盤新譜5タイトル限定でスリップ・ケース

を差し上げます!

特集: The analysis of EMERALDS






<ALTERNATIVE WAVERS フリーペーパー 掲載特集>

なんとEMERALDSからMARK MCGUIRE脱退のニュースが・・・!涙

三人のオリジナルメンバーでは最後の作品となってしまった究極の大傑作「JUST TO FEEL ANYTHING」を昨年11月にリリースしたEMERALDSを解析!

2005年以降CDRやカセットなどを含め膨大にリリースしてきた彼らのこれまでの作品の中から、今でも比較的手に入りやすいアルバム作品と、三人での活動と同様に重要なそれぞれのソロおよびサイドプロジェクト作品をご紹介します。

disk union Indie/Alternative Rock 2012 STAFF'S CHOICE!


2012 STAFF'S CHOICE
 

ディスクユニオンのインディ/オルタナティヴ・ロック担当スタッフによる2012年 個人BESTです。
嗜好が合いそうなスタッフが居りましたら、ぜひご参考になさってみてください!


disk union Indie/Alternative Rock 2012 BEST REISSUES 発表!



2012 BEST REISSUES


なんといっても5~6月のマイブラ祭りは盛り上がりました!
NWやネオアコなどの発掘系音源に加え、定番作品の○○周年記念盤といったデラックス・アイテムも目立ち、インディ/オルタナティヴ・ロック・シーンの歴史をより深く感じながら振り返ることが出来た年でした。


disk union Indie/Alternative Rock 2012 BEST ALBUMS 発表!


2012 BEST ALBUMS


実際のセールス、お客様の声、スタッフの偏愛…などなど総合的にとらえ、ディスクユニオンのインディ/オルタナティヴ・ロック担当スタッフであれこれ議論して選んだインディ/オルタナティヴ・ロック部門の2012年BEST ALBUMS!

今年の振り返りやお買い逃しのチェックなどのご参考にしていただければと思います。
2013年もディスクユニオンのインディ/オルタナティヴ・ロックを何卒よろしくお願いいたします!

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